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  • 執筆者の写真Kudo

5フォース分析によるフレームワーク:業界を客観的に把握して事業展開の判断に活用

更新日:2023年9月19日

マーケティングでよく使われる格言として、「どれだけいい釣り具を使っていても、魚がいない海で釣りをしていては、魚は釣れない」というものがあります。マーケティングの難しさを端的に表したこの格言は、マーケティングの真理を表すと同時に、分析の重要性も意味していると言えます。


5フォース分析は、自社を取り巻く業界に対する理解を深めるうえで、とても役立ちます。分析を用いることで、現状のマーケティング戦略が正しいのかを確認することができるからです。


この記事では、5フォース分析におけるフレームワークの作成手法について解説します。


5フォース分析によるフレームワーク

Guide Line

1:5フォース分析の目的


 

1. 5フォース分析の目的


5フォース分析は、ビジネス戦略の策定において特定の目的を達成するための貴重なツールです。その主な目的は以下の通りです。


競争環境における自社の強みや課題の理解:

5フォース分析は、競合環境の要因や市場を詳細に理解するために用いられます。これにより、企業は競合他社の行動や市場トレンドを把握し、戦略の土台となる情報を収集することができます。

同時に、競合他社との差別化ポイントを明確にするのに役立ちます。企業は自社の強みを強調し、競合相手からの脅威に対処するための戦略を策定できます。


競争優位の構築と収益性の向上:

5フォース分析により自社にとっての脅威がわかれば、「どこに予算を費やすか」「収益減少したらどう対処するのか」の判断が容易になります。

また、自社の強みや競合他社との違いも把握できるので、「収益性の低下を防ぐ対策」「競合他社との競争の中で優位性を保つための戦略」なども立案可能です。


意思決定の裏付けと経営資源配分の効率化:

5フォース分析は経営陣や意思決定者に対するデータと事実に基づいた情報を提供します。これにより、意思決定プロセスがより合理的かつ根拠に基づいたものとなります。

同時に、合理的な意思決定は経営資源の配分を効率化することに役立ちます。効率的な資源配分は、強みをより強化したり弱みを補ったりするだけではなく、コンセンサスが得られた迅速な対応にもつながります。


適切なリスク評価:

5フォース分析は、ビジネスに潜むリスクを特定し、それらに対処するための手段を提供します。新規参入の脅威や顧客の交渉力の高さなど、リスク要因を評価し、リスク軽減策を検討する際に役立ちます。時には撤退することも必要となりますが、その判断材料となります。

反対に、自社が業界に新規参入する際にも、判断材料として役立ちます。業界構造が理解できるため、必要な情報の収集に不可欠です。

 

2. 5フォース分析によるフレームワーク


5フォース分析を効果的に実施するためには、特定のステップに従ってフレームワークを作成することが重要です。以下に、5フォース分析をステップバイステップで行う方法を詳しく説明します。


ステップ1:競合環境の要因を洗い出す

5フォース分析の出発点は、競争環境に影響を及ぼす要因を洗い出すことです。このステップでは、以下の具体的なタスクを実施します。


①競合企業の特定:

業界内の主要な競合企業を特定し、その規模、市場シェア、戦略を把握します。


②新規参入の可能性:

新たなプレイヤーが市場に参入する可能性を評価し、その背後にある要因を分析します。


③代替品の特定:

自社の製品やサービスに代替品が存在するかどうかを調査し、代替品の特徴を把握します。


④供給業者(売り手)と顧客(買い手)の関係:

主要な供給業者と顧客との関係を分析し、交渉力を評価します。



ステップ2:各フォースを詳細に分析する

ステップ1で要因を洗い出したら、各フォースを詳細に分析します。これには次のような具体的な活動が含まれます。


SWOT分析:

各フォースに関する企業内部および外部の要因を特定し、SWOT(Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威))分析を実施します。


競合の評価:

競合企業の戦略、財務状況、市場シェアなどを詳細に評価し、自社との比較を行います。


新規参入障壁の分析:

新規参入企業に対する障壁や障害を明確にし、市場への影響を評価します。


代替品の詳細な調査:

代替品の品質、価格、顧客の好みに関する情報を収集し、競合力を評価します。

供給業者との交渉力の評価: 供給業者との取引条件、価格交渉力、リスクを考慮して評価します。


買い手および売り手の交渉力の評価:

顧客やサプライヤーの要求、価格感度、市場での影響力を評価し、対策を検討します。


ステップ3:5フォースのバランスを評価する

各フォースを分析したら、それらのフォースがどのように相互作用し、ビジネスにどの程度の影響を及ぼすかを評価します。各フォースの影響力と重要度を考慮に入れ、戦略の優先順位付けを行います。


ステップ4:戦略の策定と実行

最終ステップは、5フォース分析に基づいた戦略の策定と実行です。各フォースに対する対策を検討し、競争優位性を築くための具体的な行動計画を策定します。そして、この計画を実行し、ビジネスの未来を切り開くための成功に向けて前進します。

 

このステップバイステップガイドに従えば、5フォース分析を効果的に活用し、競争環境を理解することで、ビジネスの戦略を精緻に構築する手助けとなるでしょう。



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